2008/12/20 18:23
奄美大島チャレンジサイクリング
投稿者:山田 祐介
12月14日に「奄美大島」行ってきました。
今年最後の締めくくりとして“日本で一番長いワンデーサイクリング”というフレーズに惹かれ、つい勢いでエントリーしてしまった「奄美大島チャレンジサイクリング」。
サイクリングとは名ばかりで、その中身は想像を絶するハードでタフなコースでした。
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【スタート~CP1 : 名瀬運動公園~本茶峠まで】
コースは奄美の中心部の名瀬市内にある「名瀬運動公園」。ここをスタートして前半に島の北側、後半に島の南側をぐるっと周って戻ってくるという全長240km、累積標高3000m以上というロングでハードなコース。制限時間は13時間。途中3箇所にチェックポイントがあり、CP1(108km)は11時、CP2(153km)は14時、CP3(210km)は17時までに通過しないと足切りになってしまいます。
スタートは10人ずつ1分間隔でスタート。第一組が6:00にスタートした後、私は7分後にスタート。まだ陽が昇らない真っ暗な街中を前走者の赤いテールライトを頼りに小さな集団で進んでいく。最初のヤマ場は9km地点の「大熊峠(標高270m)」。標高自体はそれほどでもないが、10%以上の傾斜が淡々と続き決して楽ではない。すでに自転車を降りて押している人もいる。しかしこれはまだほんの軽いジャブ程度。これから続くいくつものアップダウンに比べればなんてことはない。こんな坂が嫌というほどでてくるのだ。
ここをクリアした後はしばらく下って海岸線にでるが、今度は強風の向い風が待ち受けていた。下ハンドルを握って前傾姿勢でひたすら“耐え”の走り。必死にペダルを回すもメーターは時速20k/h程度。(う~ん、つらいがここは我慢だ)と思いつつ、ひたすらペダルを回し続ける。すると前輪から「プシュー」という変な音。そう、パンクです。落胆しつつも、(パンクしちゃったもんはしょうがねぇ、さっさと直すか)と気を取り直し、そそくさと修理を済ませ、再び走り出す。
40km地点の龍郷町役場前の交差点を左に曲がって島の最北端を目指してさらに北上するルートへ。50~80m級の坂を6つほど超えた後の約65km地点に最初のエイドステーションがある。時計はすでに9時を回っている。あと2時間で108km地点のCP1までに着かなければタイムアウトだ。ゆっくり休んでるヒマは無い。ドリンクとバナナを補給し、早々に出発する。
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【65kmのA.Sにて。この時はまだ元気です・・・】
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【ゼッケン70番は私です。】
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【海岸線をひたすら南下。路面状態は非常に良く走りやすいです】
ここからは海沿いの道をずっと南下するルートだ。風向きは若干追い風になりつつ、ここで少しペースを上げる。左手に海岸線を望みながら海の景色を堪能しつつ、奄美空港、奄美パークを通過して85km地点の赤尾木の交差点を左折。先ほど通ったルートを戻って龍郷町役場まで進む。そして92km地点から前半のヤマ場である「本茶峠(標高約290m)」の上りが始まる。この時点で時計はちょうど10時。(ギリギリかもしれん・・・)
距離は約4.5kmで7~8%前後の坂が結構長く続く。路面があまり良くないので想像以上に脚にくる。50-34×12-27Tのギアはずっとインナー・ローに入りっぱなし。ガーミンの高度計を見ながら(まだ半分か・・・、あともうちょいだ・・)と思いながら、ようやく峠の頂上へ。しかし上りはまだ続く。ここから左折して、さらに尾根沿いのルートを走り、標高350mまで登りきった先にCP1があるのだ。(サイクリングなのに、なんでこんな時間に追われなきゃならんのだ・・・)と思いつつも、なんとか10:40にCP1に到着。制限時間20分前。大会関係者に「今現在でどれくらいの人がここに到着しましたか?」と聞くと「う~ん、30人くらいかな・・・」とのこと。ということはまだ90人近くの人がここを目指して走っているわけで、残り時間を考えると相当な人数が足切りになるな・・。(一体どんだけ厳しい大会なんだこれは・・恐るべしパワースポーツ(主催者)・・・。)
【CP1~CP2 : 本茶峠~瀬戸内町まで】
さて、なんとか第一関門は突破。ここを通過できれば、とりあえず完走できる確率は50%といえる。次のCP2は14時までに153km地点の「瀬戸内町・海の駅」だ。
CP1で補給食とアミノ酸を摂取し、5分ほどで出発。国道58号に出るまでの下り区間に「みちのしまループ橋」という、その名の通りループ状の橋があり、ここを2周ほどグルグル周って国道に出る。景色が素晴らしいので本来ならば自転車を止めてゆっくり写真でも撮りたいところだが、とてもそんな余裕がなく、ひたすら先を急ぐ。ここからは山間部の道を行く比較的ゆるいアップダウンが続き、ここでペースを上げておく。というのも、ここでペースを上げないとCP3の制限時間の17時までに到達するのが非常に厳しくなるからだ。ここは1分でも貯金をしておきたいところ。
途中に2km程度の長いトンネル(朝戸トンネル、新和瀬トンネル、三太郎トンネル)が3箇所ある。いつもなら暗いトンネルは好きではないが、今回ばかりは強風の影響を受けないトンネルは、本当に有難かった。3つ目のトンネルを過ぎてしばらくいくと、左手に “マングローブ原生林”の雄大な光景が広がってくる。この景色は圧巻!ここは自転車を止めてでも写真に収めておきたい素晴らしい風景です。
そしていよいよ134km地点から、今コースの最高標高地点となる「網野子峠(358m)」の上りに入る。最初の300mくらい10~15%超えの坂があるが、それ以降は約5~8%程度の傾斜で、それほどきつくはないものの、距離が長く延々と8km上る。ここは一定のペースで自分のリズムで上っていく。淡々と上っていくが、スタートしてから既に6時間経過。一応補給食は取ってはいるものの、朝から食事らしい食事もしてないし、そろそろおなかも減ってきた。(あ~腹減ったな・・・電池切れそうだ・・やばい、ハンガーノックかも・・)と心が折れそうになっていた矢先に、ようやく頂上が見えてきた!あ~やっと頂上着いたわ・・・とドリンクを飲もうと思ったが、すぐに下りに入ったため、飲むタイミングを逸する。そして今度は一気に350mを下る。(下りはあっという間だ・・・)と思ったら、すぐにまた80mほどの上り。ここを超えれば次のCP2はもうすぐだ。
CP2の「瀬戸内町・海の駅」に着いたのが13時ちょうど。制限時間の1時間前だ。(よし、1時間の貯金ができたぞ。ここまで153km。かなり飛ばしてきただけに疲労も蓄積されてきたので少し長めの休憩をとる。地元の名産、黒糖カステラ、ポンカン(みかん)、等をいただく。疲れた身体にこういうエイドステーションの食べ物は本当にありがたい。そしてBCAAの補給も忘れずに。13時10分にはここを出発。
【CP2~CP3 : 瀬戸内町~名音漁港まで】
そして、このコースの最も重要なポイントがこのCP2~CP3の区間だ。ここをいかに頑張れるか?が完走できるか否かの分かれ目になるだろう。
このCP2~CP3は複雑に入り組んだ海岸沿いのルートを瀬戸内町~久慈~芦検~今里~名音漁港までの約60kmの区間。距離はたいしたことないが、前半に80m級が2つ、60m級の上りが3つ、後半に200m以上の峠が2つ待ち受けており、それ以外も殆ど平坦な区間がなく、常に上りか下りかという非常にアップダウンの激しい区間になっている。150km近く走ってきた脚に、このアップダウンは相当きつい。しかも複雑な入り江に沿った海沿いの道を走るため、風向きがコロコロ変わってペースが掴みにくい。ただ、景色が変化に富んでいるので、走っていてそれほど飽きることはない。
そして約175km地点の久慈を右折すると、一つ目の峠「カンツメの上り(標高204m)」が始まる。上り始めてしばらくすると急に雲行きが怪しくなり、ポツポツと雨が降り出したとおもったらすぐにスコールのような本降りに・・・(ああ~ここで雨かぁ・・・・)自転車止めてカッパを着るのも面倒くさかったので、構わずそのまま走り続ける。濡れながらひたすら無心でペダルを回す。そのうち雨は止み、気付いたらもう頂上が目の前に見えてきた。この峠道は道幅が狭く、うっそうとしたジャングルのような森林の中を走るので、落ち葉が路面にたくさんあり、さらに先ほど降った雨で、かなり滑りやすくなっていたので慎重に坂を下る。(ここで落車なんかしたらおしまいだ・・)
約190km地点で宇検村のエイドステーションに到着。ここから先の峠に備えて、軽めのストレッチと補給食を取って5分ほどで出発。しばらく進むとすぐに次の峠が待っている。今度は宇検村から大和村今里への「宇検の上り(標高250m)」だ。この峠を越えればCP3。時計を見ると15時30分。(なんとか制限時間の17時までには間に合いそうだ。よし、焦らずゆっくり上ろう・・・)時速8~9km/hの速度でノロノロと上っていく。ひたすら上っていくとやがて大きな国道にぶつかり、そこに案内人が立っているのが見えた。(お、あそこが頂上か!)と喜んだのもつかの間、「はい、ここからあと1km先が頂上で~す。がんばってくださ~い!」とのこと・・・。(う~・・・一体どんだけ上らせるんじゃ、このコースは・・)そう、この峠は標高180m地点で一度、軽く下りに入るので、ここを頂上と勘違いしてしまいそうだが、実はその後さらに250mまで上るというなかなか曲者の峠なのです。
なんとかここをクリアすれば、あとは東シナ海へ向けて下るだけ。この今里への下り区間は路面も綺麗で道が良いので豪快なダウンヒルが楽しめます。さらに非常に景色が良く、思わず止めて写真を撮りたいポイントです。この景色をみると今までの苦労が報われる感じ。下りきったらあとはトンネルを二つ抜けるとすぐ左側にCP3があります。到着時刻は16時10分頃。最後の関門を無事クリア。(あ~しんどかった・・・・)
【CP3~ゴール : 名音漁港~名瀬運動公園まで】
210kmのCP3さえクリアできれば、残りは30km。完走はもう目前だ。
ここを2時間以内に走ればいいのだから楽勝!と言いたいところだが、まだ残り3つの上りが待っている。
まず最初の「嶺山の上り(標高190m)」。ここははじめに瞬間最高17%の激坂があって、さすがにダンシングしないと上れない。その後も海沿いの道を結構長く上り続ける。左側には大海原のロケーションが広がる絶景なので、景色を横目で楽しみながら上ることにする。しかし、さすがにここまでくると筋肉も悲鳴をあげはじめ、左のお尻の付け根の筋肉がピクピク攣りだしてきた。
次は「国直の上り(標高160m)」。もうここまで来ると“上り坂”に対する感覚が麻痺してきて、完全にランナーズ・ハイ状態。脳内麻薬が分泌され、坂の途中で笑っちゃうくらい頭がおかしな状態になってます・・。横を通っていく車から「頑張れ~!」と子供の声援を受けるのだが、「あ・ひ・が・と・ぉ~」と声にもならない返事をするのが精一杯。
そしてついに最後の「大浜の上り(標高120m)」。時刻はすでに17時30分をまわっており、陽が落ちて薄暗くなり始めている。(できれば明るいうちにゴールしたい)最後の気力で上り切り、頂上についた時にはもう真っ暗。あとはここを下って3kmほどでゴールだ!下りはライトの明かりだけが頼りなので、慎重にゆっくりと下りる。
しばらく行くと「名瀬運動公園」の看板が。そこを右折するとついにGOALのゲートが見えてきた!!アナウンスの「おかえり~!!」の声に迎えられ、両手を挙げてガッツポーズでゴール!!感動して泣くかと思いきや、疲れ果てて涙もでませんでした・・・
時計を見ると17時55分。所要時間は約12時間弱。とにかく、なんとか無事に完走できたのが一番で本当に良かった、良かった・・・・。
ちなみにトップでゴールした人は鹿児島の16歳の高校生でした。所要時間9時間44分。私よりも2時間以上も前にゴールしていました。若さって素晴らしい・・・・・
完走率は、118人出走して完走者が65人(完走率=約55%)
※リタイアした人の多くはCP1でタイムアウトしたらしいです。
【走行データ】
・ スタート:6時7分
・ ゴール :17:55分
・ 所要時間:11時間48分(休憩時間含む)
※以下は自車に装着したガーミンの実走行データです。(参考までに・・・)
・ 走行距離:236.78km
・ 累積標高:3872m
・ 走行時間:10時間44分37秒(自転車に乗っていた時間)
・ 平均速度:22.0km/h
・ 平均心拍:150bpm、MAX心拍:187bpm
・ 消費カロリー:8522 kcal
【走り終えての感想】
いや、本当に疲れました。今まで出場したどの大会よりも、距離・難易度、全てにおいてダントツにハードでした。栄村100kmや佐渡ロングライドが可愛く感じてしまうくらいです。240kmという距離もさることながら、やはり最大のポイントはこの“標高差”です。後でホテルに戻ってガーミンのデータを見て目を疑ってしまいました。
「累積標高=3872m」
(えええっつ!富士山よりも高いじゃないか!!ほんまかいな??)
多少の誤差はあるにせよ、たぶん本当にこのくらいは上ったような気がします。
それほどハードでした・・・・・。サイクリングというよりは“山岳グランフォンド”といったほうが正しいでしょう。
来年の開催はまだ決まっていないそうですが、昨今のロングライド・ブームを見てると、おそらく来年も開催されると思います。そして佐渡ロングライドのように参加者は年々増加していくのではないでしょうか。もし来年もこのイベントが開催されるのであれば、ぜひ皆さんにも強くこのイベントの参加をお奨めします。
奄美大島の大自然、沿道の人達の応援、少ない交通量、美しい景色、美味しい食べ物・・など自転車で走るには魅力満載の島です。そして何よりも“日本で一番長いワンデーサイクリング”というチャレンジ意欲をかきたてられるこのイベント。一度は出てみる価値はあると思います。確かに完走は楽ではありませんが、完走したときの達成感は格別です。
沖縄、佐渡に続く離島のロングライドイベントとして、これからこの大会がどうなるのか非常に楽しみなイベントです。
<以下、おまけ情報>
もし来年参加してみたいと思っている方のために、参考までに幾つかコメントを・・・。
①できれば事前にコースの下見をお奨めします。
実は2日前に奄美入りして、事前にこのコースを車で下見したのですが、その時、正直言って(あ、これは完走無理だな・・)と本当に思いました。というのも車で走っていても、8時間くらいかかって、結構疲れてしまったからです。(途中で昼寝もしました)
ただ、この試走のおかげで、コースのイメージが事前に把握できたのは非常に有効でした。次にどんな坂が待っているとか、ここはペースを上げたほうがいいな、といった戦略が立てられたからです。やはり240kmという長丁場、ある程度コースをイメージしておかないと、長い上り坂などでは(一体どこまで続くんだ??)と精神的に挫折してしまいます。おそらくこの下見がなければ、私はあきらめて完走できなかったと思います。
②BCAA等のアミノ酸系サプリメントは必須
エイドステーションが全部で6箇所ありますが、佐渡ロングライドのように食べ物はそれほど充実しているわけではありません。なので、そこでは必ず「アミノバイタル」を一袋飲んでました。後半はさすがにいくら補給食をとっても筋肉が疲労して乳酸が蓄積してきますから、早め早めにアミノ酸を補給しないと脚が攣ります。
③完走目指すには、CP1とCP3が鬼門!
最初のチェックポイントが108km地点で制限時間5時間。平均22~23km/hくらいで走ればいいのだが、大きな峠が2つと、50~70mくらいのアップダウンがたくさんあるので、意外と時間がかかる。今回このCP1でタイムアウトになる人が最も多かったことから、少し無理してでもペースを上げたほうがいいかと思います。
逆にCP2は比較的ゆるいアップダウンで、網の子峠までは快適に飛ばせる区間。ここで少しでも貯金をためて、次のCP3で貯金を使うというペース配分にしたほうがいいでしょう。CP3は、それまでの疲労蓄積に加え地獄のアップダウンの連続なので、思ったよりもペースが上がりません。CP2で貯めた貯金をここで使い、17時までにCP3に到達できれば完走は、ほぼ間違いないでしょう。
投稿者:On the Road│2008/12/20 18:23│イベントレポート│
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